【Mリーグ2020 89~90試合】生き残りを賭けた最後の闘い。勝負を分けたものは…。

Mリーグ

生き残りを賭けた怒涛の二日間。

いや、凄かった。この二日間の闘いは、筆舌に尽くしがたい。

3/11 第1試合で、それだけは許されないという、
ボーダーライン6位のTEAM RAIDEN / 雷電 瀬戸熊直樹の
まさかのラスを受けて、
第2試合に挑んだ黒沢咲。

5本場までもつれた南4局。
満貫ツモでのトップ条件に立たされた黒沢は、
連続で急所のラス牌を引き、
ドラ2赤ドラ1で打点充分な聴牌を入れる。

ただ、この聴牌は役無しフリテンの
四筒:麻雀王国七筒:麻雀王国待ち。
しかも、この待ちも七筒:麻雀王国1枚残り。

しかし、黒沢はこれをツモ!!。

生き残りに、何とか望みをつないで、
最後の闘いの結果を待つことになった。

そして、3/12、その最後の闘い。

連続トップが生き残りの条件となった
セガサミーフェニックスは、
昨シーズンMVPの魚谷侑未に第1試合を託した。

その魚谷。開局直後の東1局0本場でリーチをかけるも、
その宣言牌が、魚谷同様ボーダーラインの下にいる、
親番の7位U-NEXT Pirates 石橋伸洋のあたり牌。

続く東1局1本場も赤ドラ2枚を使った
打点充分のリーチをかけるも、流局。

さらに東2局は、タンヤオ、赤ドラ1枚、高め三色同順で、
フリテンながらも3面張のリーチをかけるも、
この3面張が、牌山に残っていない。
追いかけリーチをかけた渋谷ABEMAS 白鳥翔の
ツモ和了りで、この局も和了れず。

親番の東3局では、白鳥の先制リーチに対して、
六萬:麻雀王国七萬:麻雀王国八萬:麻雀王国一筒:麻雀王国一筒:麻雀王国三筒:麻雀王国四筒:麻雀王国五筒:麻雀王国五索赤:麻雀王国五索:麻雀王国八索:麻雀王国八索:麻雀王国發:麻雀王国發:麻雀王国(ドラ五索:麻雀王国)の、
和了りも打点も期待できる一向聴から、
白鳥が比較的早い巡目で切っている七索:麻雀王国を頼りに八索:麻雀王国を選ぶと、
これが五索:麻雀王国八索:麻雀王国で張っていた白鳥にあたり。

「たられば」で申し訳ないが、もしここで魚谷が一筒:麻雀王国を選んでいたら、
白鳥への放銃も回避できて、さらに親満貫の高打点も期待できた。

魚谷は、序盤のこの3局のうち、一回でも上がっていたら
トップの可能性は充分にあった。
しかし、現実として、すべて空振ってしまった魚谷は、
東場を終えた時点で5,500のラス目。
トップ目の白鳥が61,800まで稼いでいたので、その差56,300。

その後も、トップを狙う魚谷の親番、南3局。
△4,100まで点棒を減らした魚谷は、この親番を逃すと、
トップの可能性が遥か彼方へと行ってしまうのだが、
この局、KADOKAWAサクラナイツ 内川幸太郎の
着順キープのロン和了りで逃してしまう。

トップを狙った魚谷、そしてセガサミーフェニックスは、

この試合を△6,100のラスで終え、生き残りの可能性は、

限りなくゼロに近づいてしまった。

セガサミーフェニックス同様、
生き残りに、条件が掛かっていたのは、
7位のU-NEXT Pirates。
最低でもトップ1回と2着1回が必要だったU-NEXT Piratesは、
この第1試合を、石橋が34,900の2着で終えた。

生き残りをかけて第2試合に挑んだのは当然、船長小林剛。その条件は、35,700のトップ

最後の親番を迎えた南3局0本場での点数状況は以下の通り。

チーム選手得点
西家KADOKAWAサクラナイツ内川幸太郎29,800
北家渋谷ABEMAS多井隆晴19,000
東家U-NEXT Pirates小林剛27,500
南家セガサミーフェニックス近藤誠一23,700

小林を含めた全員にトップの可能性が充分に残っているし、
U-NEXT Piratesのセミファイナル通貨条件である、35,700まで
8,200と、これも充分に可能性がある。
この親番で条件をクリアして、できる限りの点棒を、稼ぎ取りたいところだ。

とにかく連荘したい小林は10巡目、
一萬:麻雀王国二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国五萬:麻雀王国六萬:麻雀王国七萬:麻雀王国八筒:麻雀王国八筒:麻雀王国五索赤:麻雀王国六索:麻雀王国七索:麻雀王国七索:麻雀王国八索:麻雀王国(ドラ二筒:麻雀王国)のピンフ、赤ドラ1のリーチをかける。しかしこの待ち牌は、山に六索:麻雀王国が1枚しか残っていない。

TEAM RAIDEN / 雷電 黒沢咲は、
その最後の1枚をツモりあげて、トップを獲り、
望みを繋いだ。

小林も、その最後の1枚をツモりあげることを期待されたが、
結果は流局。

次局、南3局1本場で、小林がもらった配牌は、
一萬:麻雀王国九萬:麻雀王国二筒:麻雀王国七筒:麻雀王国九筒:麻雀王国一索:麻雀王国二索:麻雀王国七索:麻雀王国七索:麻雀王国南:麻雀王国北:麻雀王国北:麻雀王国發:麻雀王国中:麻雀王国(ドラ三萬:麻雀王国

悪い。あまりにも悪すぎる。和了るどころか、聴牌すら見えない。一体、どの牌を残して、どの手順で聴牌までたどり着けば良いのか、皆目見当がつかない。

小林は、(おそらく)123の三色同順と役牌の重なりを期待しつつ、九萬:麻雀王国を切り出していく。

12巡目。小林は、あの手牌を、なんとか
五萬:麻雀王国二筒:麻雀王国二筒:麻雀王国五筒:麻雀王国六筒:麻雀王国七筒:麻雀王国八筒:麻雀王国一索:麻雀王国二索:麻雀王国七索:麻雀王国八索:麻雀王国北:麻雀王国北:麻雀王国まで、持って行っており、ここで、上家の渋谷ABEMAS 多井隆晴が切った九索:麻雀王国を両面チー!。
形式聴牌での連荘狙いに打って出る!!。

このチーは他家から見ても、役が無いことは見え見えだ。
小林だって、そんなことは重々承知だ。
しかし、そうでもしないと、この試合が、
U-NEXT Piratesのレギュラーシーズンが終わってしまう。

次順、小林は三筒:麻雀王国を引き込み、さらに、その次順に一筒:麻雀王国を引き入れ、
一筒:麻雀王国二筒:麻雀王国三筒:麻雀王国六筒:麻雀王国七筒:麻雀王国八筒:麻雀王国一索:麻雀王国二索:麻雀王国北:麻雀王国北:麻雀王国 九索横:麻雀王国七索:麻雀王国八索:麻雀王国の形式聴牌を完成させる!。
これで、自分の最後のツモまでを滞りなく切ることができたら、次局に望みを託すことができる。
その、最後のツモ。小林が引いたのは四萬:麻雀王国。聴牌維持のため、この牌をツモ切ると、

「ロン」

無情にもそれは、KADOKAWAサクラナイツ 内川幸太郎の当たり牌。5,200(+300)の放銃で、小林の条件は、最後の親番を逃しての、南4局のみで11,700の和了りトップ。

つまり、跳満以上が必要となった。

もちろん、これまでの試合でも、
オーラス跳満和了りでの逆転トップは、
幾度となくあった。

しかし、小林に残された和了りは、これのみだ!!。

南4局0本場。親は8位セガサミーフェニックスの近藤誠一。近藤も、10万点以上のトップをとれば、セミファイナル出場の権利を得られるため、当然このラス親は、石にかじりついてでも、連荘を狙ってくるはずだ。

7巡目。その近藤から
三萬:麻雀王国三萬:麻雀王国三萬:麻雀王国一筒:麻雀王国二筒:麻雀王国三筒:麻雀王国八筒:麻雀王国八筒:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国五索赤:麻雀王国五索:麻雀王国六索:麻雀王国(ドラ九萬:麻雀王国)のリーチがかかる。

これで、小林は

  • 近藤への放銃
  • 近藤のツモ和了り
  • 小林ノーテン

のいずれかになってしまうと、次局の小林の条件が倍満以上、下手をしたら、3倍満以上になってしまうため、セミファイナル出場が非常に厳しいものになってしまう。

この大ピンチの近藤のリーチに、
ラス抜けを狙った渋谷ABEMAS 多井隆晴が放銃し
条件変わらずで、首の皮一枚つながる。

次局、小林は配牌で場風南:麻雀王国が槓子!!。いつもであれば、一向聴まで暗槓しないか、南:麻雀王国を1枚切って暗刻にするところを、是が非でも跳満がが欲しい小林は、第一ツモで暗槓!。槓ドラに1枚持っている五索:麻雀王国がのり、リーチをすれば、裏ドラが2枚見れるため、跳満にグッと近づいた!!。

しかし、しかし5巡目。役無し両面待ち聴牌を張ったKADOKAWAサクラナイツ 内川幸太郎からリーチがかかる。

そして…

その3順後。

内川から、「ツモ」の発声。

これで、U-NEXT Piratesとセガサミーフェニックスの
奇しくも昨シーズン優勝チームと準優勝チームの
レギュラーシーズン敗退が決まった。

最後に勝負を分けたもの。

今シーズンのレギュラーシーズンが終わった。

繰り返しになってしまうが、
昨シーズン優勝のU-NEXT Piratesと
準優勝のセガサミーフェニックスの敗退が決まった。

一体、この結果になってしまった要因は、何だったのか?

実力差?

集中力の差?

精神力の差?

意気込みの差?

いや、いずれも違う。

レギュラーシーズンは各チーム90試合の長丁場。

もし、チーム間に実力差があるのなら、
もし、各選手が、一度でも、気を抜いた一打を打っていたのなら、
もっと早くに、敗退チームが決まっていたはずだ。

U-NEXT Piratesには、トップ1回2着1回で、
セガサミーフェニックスは、3万点以上のトップ2回、

という、現実的な条件が残っていた。

とても、実力差や意気込みの差とは、考えにくい。

では、勝敗を分けたものは、一体何か?

私は、敢えて「運」だと言いたい。

TEAM RAIDEN / 雷電 黒沢咲は、
フリテンで、なおかつラス牌の和了り牌をツモり上げた。
「運」が、あった。

セガサミーフェニックス 魚谷侑未は、
東場で、3局リーチをかけたが、いずれも実らなかった。
「運」が、なかった。

U-NEXT Pirates 小林剛は、この牌さえ通れば
希望と繋げられる、という牌が通らなかった。
「運」が、なかった。

こう言ってしまうと、

「麻雀は結局運ゲーなの?」

と言う人もいるだろう。

しかし、それは違う。

Mリーグに出場する選手全員が、
実力も意気込みも、非常に高いレベルで拮抗しているから、
これらで、勝敗を決することができないから、
最後の最後は、ほんの僅かの「運」にならざるを得ないのだ。

最後の最後は、運勝負になってしまうからこそ、
麻雀は、かくも魅力的で、
かくも残酷なものなのだ、
と、私は言いたい。

(牌画には、麻雀王国牌画入力ツール「パイガ」を使用させて頂いています。)

セミファイナルがスタート!!

セミファイナルの日程は

4/12(月)

  • EX風林火山
  • KADOKAWAサクラナイツ
  • KONAMI麻雀格闘倶楽部
  • 渋谷ABEMAS

4/13(火)

  • 赤坂ドリブンズ
  • KONAMI麻雀格闘倶楽部
  • 渋谷ABEMAS
  • TEAM RAIDEN / 雷電

4/15(木)

  • 赤坂ドリブンズ
  • EX風林火山
  • KADOKAWAサクラナイツ
  • TEAM RAIDEN / 雷電

4/16(金)

  • 赤坂ドリブンズ
  • KADOKAWAサクラナイツ
  • KONAMI麻雀格闘倶楽部
  • 渋谷ABEMAS

Mリーグ観戦はabemaプレミアムで!!

セミファイナルも、乞うご期待!!

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